シビルエンジニア/サステナビリティ
大成建設の持続可能性を高めるために
シビルエンジニア/サステナビリティ
大成建設の持続可能性を高めるために
近年、いかなる企業活動においても環境を無視することはできない。大成建設も2050年環境目標のひとつである脱炭素社会の実現に向けて、事業活動によるCO2排出量実質ゼロを目指している。岩崎は、こういったサステナビリティや環境に特化した広報活動を担うチームの室長を務めている。「例えば、業務効率化につながる技術開発をしても、今まではそれがCO2排出削減にどれほど寄与しているか、という視点での広報活動は行われてきませんでした。そのため、環境という観点から企業活動を整理して社内外へ発信していくため2022年4月に新設されたのが、サステナビリティ経営推進本部です」
INTERVIEW
岩崎 広江
HIROE IWASAKI
衛生学部 産業衛生学科 卒
1993年入社
※内容は取材当時のものです
仲間と達成した地図に残る仕事
土壌浄化の専門家から環境広報の要へ
岩崎は、長らく土壌浄化の専門家としてキャリアを重ねてきた。土壌浄化とは文字通り、汚染された土壌を何らかの手段を駆使してきれいにすることである。例えば昔、ドライクリーニングを行う際には有機溶剤が使用されていたが、それが地中にしみ込むとそこにとどまり、土壌を汚染してしまう。近くに地下水があれば、水の流れにのって広域に広がる危険性もある。そこで、有機溶剤の揮発性の高さを利用して揮発させたガスを吸引したり、ボーリングで地面を掘り、地下水をくみ上げたりすることで土壌を浄化するのだ。岩崎は、汚染原因や汚染範囲の調査から浄化方法の選定、実行、浄化後のモニタリングという一連の工程を担ってきた。
岩崎が入社した頃は、土壌浄化という分野が国内はおろか社内でも知る人が少なかったが、営業、開発、研究、現場が一丸となって、土壌浄化という新しい分野を切り拓いてきた。その歴史を目の当たりにし、専門性を身につけることで彼女自身も大きなプロジェクトを任されるようになった。また現在、土壌浄化の専門チームには20名ほどが在籍し、そのうち2割ほどを女性が占めている。この点においても、子育てと仕事を両立させながら土壌浄化の専門家としてのキャリアを切り拓いてきた岩崎の貢献は大きいだろう。まさに「大成建設における土壌浄化の歴史と共に歩んできた」といえる。ところが2022年、広報関連の部署へ異動の打診を受けたのだった。
「土壌浄化の部署に骨を埋めるつもりでいたので、青天の霹靂でしたね。広報の知識なんて何も持っていなかったのですが、不思議なことに嫌だとは思いませんでした。環境に関する企業の取り組みは、投資家も注目していて、企業の持続可能性を高めていくという観点からもその取り組みを発信していくことは、非常に大切です。環境というより広い領域において、大成建設の企業価値を高める活動に打ち込むのも面白そうだと思えました」
プレスリリースの調整や取材対応、雑誌やWebサイトに掲載する広告活動、展示会対応など、土壌汚染に携わっていた頃には経験したことがないような仕事ばかり。それでも環境や経営的な視点から、大成建設の未来を考える仕事に醍醐味を感じている。
「社内でも『環境』というキーワードは意識されるようになってきました。しかし、その重要性を深く理解し、知識として定着しているかというと、まだまだ足りない部分もあります。そこで、全社員向けの研修を定期的に行ったりして、社内への啓蒙活動にもこれから力を入れていきます。まだ始まったばかりの活動で何をすべきか模索している段階ですが、そこにもやりがいがあります」
土壌汚染のスペシャリストとしてキャリアを歩んできた岩崎は、ここにきて、新たな道を切り拓こうとしている。
仕事について
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仕事のやりがいは何ですか?
大手企業ならではの組織の厚みや、様々な分野のスペシャリストがいることです。土壌浄化に取り組んでいた頃は、お客様とやりとりする際に自分の背中に組織の存在を感じることができて心強く思いました。広報となった今は、この組織や人の強みをいかに、環境やサステナビリティへ落とし込んで発信していくかを考えています。そのためにも、環境全般に関する知識を深め、当社事業との接点をつくっていきたいです。
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入社理由は何ですか?
当社と共同研究を行っていた研究室の先生から「面接を受けてみないか」と言われたのがきっかけです。地元で公務員か教師になるつもりで教員免許も取っていたため、就職活動自体ほとんどしていませんでした。ところが面接へ行ってみると、後に所属することになる部署の室長や課長、係員が数名で出迎えてくれ、対応してくださった方々がとても魅力的だったのです。そのため、事業内容よりも「人」に惹かれて入社を決めました。
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あなたにとって「地図に残る仕事。」とは?
サステナビリティや環境に関する取り組みは、数十年と非常にスパンの長いものです。脱炭素の取り組みも結果が出るのは、2050年になると言われています。もしかしたら、目指しているゴールに到達した瞬間を目の当たりにするのは難しいかもしれません。しかしこの取り組みは未来のためにしていることで、2050年に振り返ったとき「あのときやっていてよかった」と思ってもらうためのものです。その意味でいうと、2050年の未来地図をつくるための仕事なのだと思っています。
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今後の目標を教えてください
現部署には着任したばかりで、ようやく状況を俯瞰して見ることができるようになったところです。ここから打ち手を模索しながら、大成建設のサステナビリティや環境に関する取り組みの認知度を高めていかなければなりません。そのためにも、できるだけ早く環境広報の広告塔となり、環境分野における大成建設の存在感を高めるとともに、社内の皆さんから相談してもらえる部署をつくるのが目下の目標です。
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