プロジェクトストーリー

PROJECT

国立競技場

PROJECT STORY

社運をかけた国家プロジェクトは、
いかにして成功を収めたのか

2019年11月、東京・新宿区霞ヶ丘町に巨大なスタジアムが誕生した。
新しい国立競技場(以下、国立競技場)の完成である。
1958年に開場した旧国立競技場から、半世紀のときを経て全面改築を行うこととなり、
大成建設を主幹とする「大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体」が、
新たな国立競技場の建設を手がけた。
言わずと知れた国家プロジェクト。
そこには、携わった社員一人ひとりの努力と、挑戦の証が刻まれている。

国立競技場

INTRODUCTION

旧国立競技場は2008年に開場から50年を迎え、次世代のスポーツ施設の象徴として、建て替えの検討がなされていた。50年もの歴史の中で、様々なイベントが催され、多くの人から愛されてきたスタジアム。戦後間もない激動の時代に、その競技場建設を手がけたのが大成建設だった。

政府が正式に改築を決定し、旧案の白紙撤回など紆余曲折を経て、2015年12月に「公募型プロポーザル方式」にてコンペが開かれた。先人たちから脈々と受け継がれてきた歴史と伝統を、途絶えさせるわけにはいかない。並々ならぬ努力の末、大成JVの受注が決まった。コンセプトは自然豊かな周辺環境との調和を目指した「杜のスタジアム」。日本の伝統建築の特徴を継承した軒庇を取り入れるなど、細部の設計までこだわり抜いている。木を用いたデザインで知られる隈研吾建築都市設計事務所、スポーツ施設の設計経験が豊富な梓設計、そしてゼネコンとして設計・施工・技術開発部門など高い総合力を持つ大成建設。3社の強みを結集させ、一大プロジェクトに挑むこととなった。

竣工までのタイムリミットは約4年。しかし、敷地面積約109,800 m²にもおよぶ巨大な競技場は、設計作業だけでも約1年の時間を要する。加えて五輪開催に向け国内は建設ラッシュを迎えており、人手不足、建設資材不足も予想された。限られた工期・リソースの中で、いかにして巨大スタジアムを完成させるのか。プロジェクトに挑んだ5名の社員のストーリーから、成功の秘密を紐解いていく。

国立競技場の画像