大成建設について

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トップメッセージ

TOP INTERVIEW
相川 善郎 写真
失敗の中にこそ成功のヒントがある。恐れずに挑戦しよう。

大成建設株式会社
代表取締役社長

相川 善郎YOSHIRO AIKAWA

レジリエントな社会づくりに貢献する

大成建設は2023年に創業150周年を迎えます。これまで歩んできた道のりは決して平坦ではありませんでしたが、長い歴史のなかで様々なプロジェクトを手がけ、日本屈指の建設会社へと成長を遂げてきました。その軌跡が現在の大成建設の基盤となっています。「人がいきいきとする環境を創造する」というグループ理念のもと、安全・安心で快適な生活環境の整備を通じて、レジリエントな社会づくりに貢献することを大きな目標としています。

しかしながら、私たちを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。パンデミックや働き方改革、サステナビリティの提唱、デジタルトランスフォーメーションの推進など、ここ数年で様々なキーワードが登場するようになりました。そうした状況下でも、大成建設が安定して成長できる企業であるために、10年後のありたい姿を示した「TAISEI VISION 2030」と、それを達成するために直近3年間で取り組むべき「中期経営計画(2021-2023)」を策定しました。

10年後には、中核事業である土木・建築に加え、開発、エンジニアリング、リニューアル事業などの割合を高め、「The CDE3(キューブ)カンパニー」になることを目指します。CDEは、Construction(建設)、Development(開発)、Engineering(エンジニアリング)の頭文字で、EにはEnvironment(環境)、Energy(エネルギー)の意味も込めています。特にDとEは、これから大成建設が持続的に発展していくための、成長のカギになると位置付けています。共に働く社員の方々には、より高いエンゲージメントを持っていただき、全役職員が目指す姿を実現するために、一丸となって取り組むことが重要であると考えています。目標達成に向け、まさに当社の真価が問われるところと感じています。

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結果だけではなく、
プロセスも重要

ここで少々、私の社会人人生におけるターニングポイントとなった出来事を、紹介させていただきたいと思います。今でこそ会社の舵取り役を担っていますが、私も以前は建築の現場社員として、キャリアを歩んでいました。そこで得た貴重な経験が、現在にも活かされています。

一つは入社10年目の頃、とあるホテルの建設を担当していたときのことです。工期が短く、あまり休みも取れないような案件でした。今でこそ、そうした働き方はできませんが、当時は現場の作業員を含め大変な苦労をしながらも、皆で協力し合って工事を進めていました。厳しくも、一体感のある良い雰囲気の現場だったことを今でも覚えています。ところが竣工直前に外部の検査官から我々の苦労を踏みにじるような心ない言葉をかけられ、叱責されたのです。技術力がないことは私の責任ですので仕方ありませんが、必死になって働いてくれた仲間たちの努力まで否定されたことは、当時の私にとっては受け入れがたいことでした。「そんなことを言われるくらいなら辞めてやる」。そう思った私は上司に退職を申し入れました。

しかし、私を引き留めてくれる人たちがいました。大成建設の同僚のみならず、作業所でともに汗を流した協力会社の人までもが「相川さん、辞めるなんて言わないでよ」「また一緒に働こうよ」。そんな言葉をかけてくれました。その気遣いが何よりも嬉しく、「こうした仲間の努力に報いるためにも、自分が先頭になって頑張ろう」。そう翻意しました。結果だけでなく、プロセスも評価してあげなければ、モチベーションにつながらない。これは会社のトップになった今でも、重視している考え方です。

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失敗を恐れずに、前を向く

もう一つは入社18年目、私が初めて現場の所長を任されたときのこと。解体工事の現場を担当していたのですが、そこで墜落事故が発生し、ケガ人が出てしまったのです。幸い命に別状はなかったのですが、重大事故を防止することができませんでした。事故の発生は、現場を統括する所長である私の責任です。責任の重圧と、また事故が起きてしまうのではないかとの不安で、その日以来、作業所に行くのが怖くなりました。

しばらく足取りが重い日々を過ごしていたのですが、ある朝「私は一度、会社を辞めようとした身で、失うものは何もない。自分にやれることを全力でやろう」と腹を括り、前を向けるようになりました。誰しもが、どん底に突き落とされるような辛い経験、苦い思いをしたことがあると思います。でも、その時期を乗り越えれば、必ず良い朝が来ます。失敗にこそ、成功のヒントが詰まっています。失敗を恐れるのではなく、「何とかなる、何とかするんだ」という気概を持って、チャレンジすることが大切だと思っています。

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ものづくりを楽しみ、社会に貢献する

私のこれまでの経験を踏まえ、入社を志望される皆さんには、以下のことを心に留めておいてほしいと考えています。まずは「利他の心を持つこと」。どんな工事もひとりで成すことはできません。社会の人々、お客様、協力会社、同僚がいてはじめて、工事を進めることができます。自分のためではなく、誰かのために仕事ができる人であってください。次に「嘘をつかず、正直であること」です。私たちの手がけるプロジェクトは、社会の重要なインフラであり、多くの人に信頼されてこそ成立するものです。嘘は決して許されません。ミスをしてしまったら素直に認め、謙虚であることを、自分にも部下にも求めています。そして最後に「ものづくりに興味を持つこと」です。私たちの仕事は、ただ建設をすれば良いというものではありません。社会に役立つものとして、そして「地図に残る仕事。」として、誇りを持って良いものをつくらなければならないのです。建設への飽くなき探究心と、社会に貢献する気持ちを持って、仕事を楽しんでほしいと思います。

私自身、紆余曲折のある社会人人生を送ってきましたが、そこで様々なことを学び、前向きに取り組んできたからこそ、成長することができました。そして、今の私があると思っています。冒頭で述べた「レジリエントな社会づくりに貢献する」という目標は容易なことではありませんが、「何とかする」という強い決意で臨みます。社員にも、そうした強い気持ちで仕事と向き合ってほしいと考えています。社員全員が成長を実感でき、力を発揮していけるよう全面的にバックアップしていますので、高い志や、ものづくりへの熱い想いを持った方は、ぜひ当社の門をたたいていただければと思います。