設計(建築)

お客様の想いを具現化し、表現する

設計(建築)

お客様の想いを具現化し、表現する

上田が建築に興味を持ち始めたのは小学生のとき。祖父が、自分で家を改修する姿を見て、憧れを抱いた。学生時代に建築設計を学んだ後、大成建設に入社。現在は、プロジェクトアーキテクトとして、計画構想から竣工までの一貫した建築設計を行っている。「一括りに設計と言っても、建物全体のコンセプト策定からコスト計算、技術改善と仕事内容は多岐にわたります。将来的にはそれら全てをこなす『何でもできるアーキテクト』を目指しています」

INTERVIEW

上田 恭平の写真

上田 恭平

KYOHEI UEDA

工学系研究科 建築学専攻 修了
2012年入社

※内容は取材当時のものです

仲間と達成した地図に残る仕事

建築の全てに携わるアーキテクト

入社3年目の2014年、上田は設計図を前に頭を抱えていた。「日本で最高の生音を録ることができる、『最高の音楽スタジオ』がつくりたい」。顧客からの要望は果てしなく高かった。外観のデザインから内装、機能面に至るまで、最高品質が求められた。

「実は以前にも別の音楽スタジオ建設のプロジェクトに携わっていたのですが、急遽ストップしてしまったことがありました。その悔しさが残っていたとき、この案件の依頼が来ました。だからこそ、『必ず成し遂げたい』という想いで設計をスタート。他の案件も抱えていたのですが、どんどん熱が入っていきました」

挑戦の連続だった。入社して間もない頃は図面の描き方やプロジェクトの進め方も分からず、全てが手探り状態で、設計図の描き直しも珍しいことではない。相当な時間を費やしたが、その分成長する糧となった。「分からないなりにも、お客様と向き合うことは大切にしていました。そこにすべての答えがあると思ったのです。打ち合わせの際に担当の方が満足していない様子ならば、こちらに問題がある。コンセプトの表現を変えたり、レイアウトを修正したり、レスポンスを早めたり……。お客様の想いを具現化するうえで、自分として何を提案したいのかを突き詰めて考え、推し進めていきました」

そうした試行錯誤の末、2018年、上田が担当した音楽スタジオが竣工。高い音響性能とグレード感のある意匠性が評価され、「2019年度グッドデザイン賞」を受賞した。大成建設が手がけるプロジェクトの中では、決して規模は大きくはない。しかし、上田にとっては生涯忘れることができない建築となった。

「今振り返ると、私は恵まれていたことが分かります。当時の上司は常に私の背中を押してくれ、社内の取りまとめや外部との費用交渉など、難しい調整役を担ってくれていました。そうした周囲の協力のおかげで様々なチャレンジができたことに、感謝の気持ちで一杯です」

そして上田の挑戦は、今も続いている。2021年4月にデジタル・ソリューション室の立ち上げに携わり、設計の仕事と兼任でデジタル技術の推進にも取り組んでいる。

「これまでは営業から案件を依頼され、進めていくことがほとんどでしたが、それだけではこの競争激しい建設業界の中で生き残れないと感じています。デジタルを活用してお客様に付加価値を提供し、新たな建築のかたちをつくらなければなりません。それが建築におけるDXであると考えています。普段設計担当としてお客様と接することで感じる、お客様の課題や悩みを、デジタル技術によって解決していきたいと考えています」

仲間と達成した地図に残る仕事の画像

仕事について

  • 仕事のやりがいは何ですか?

    自分が描いたスケッチから建物が徐々にできあがっていき、一つの建築物として残されることにやりがいを感じています。空間のイメージやコンセプト、図版などを描き、お客様や営業、構造設計、設備設計、積算、施工など様々な人の共感を得て、頭で思い描いていたものが具現化されたときは、言葉では表せない達成感があります。一方DXの分野では、新しい価値の創造に向け、部署を超えた連携で目標を共有できることが大きな醍醐味です。

  • 入社理由は何ですか?

    元々、プロジェクトの最初から最後まで携わる「何でもできるアーキテクト」になりたいという想いがあり、設計から施工まで一貫して手がけることができる環境を模索していました。中でも技術力の高さと、携わる構造物の幅広さから大手ゼネコンを志望。大成建設は他社と比べ、若手の挑戦を柔軟に受け入れてくれる社風と、サポート体制がしっかり整っていると感じました。実際に入社後も、自分から行動を起こすことができ、それを温かく見守ってくれる風土があると実感しています。

  • あなたにとって「地図に残る仕事。」とは?

    社会に建物一つひとつが持つ存在意義を浸透させていくことだと考えています。地図を眺めたとき、建物にはビルや飲食店といったそれぞれの用途を読み取ることができますが、より重要になるのは、建物を建てる私たちが、その建物が「どうあるべきなのか」を考え、発信することだと思っています。

  • 今後の目標を教えてください

    デジタルの世界と現実世界を融合していくことです。今までのような、建てることだけに特化した建築ではなく、その後の運用までを見据えた建築を目指しています。具体的には、クラウド上で建物に関する様々なデータを収集し、分析を行います。そのうえで、その施設を利用する人々の性質に合った、最適なアプリケーションを導入できるようなサービスを企画していきたいと考えています。IoTに関する知識など、社会人になってから学ぶことも多いですが、デジタル技術を活用した新しいアイデア創出に精進していきます。

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同僚からのコメント

信藤 邦太

設計(設備)

上田君は私の2つ後輩になりますが、数年前から同じ案件に携わるようになり、今も複数案件を一緒に担当しています。建築設計は大きく意匠設計、構造設計、設備設計に分かれるのですが、上田君が意匠設計で、私が設備設計になります。上田君の描いたデザイン性の高い設計に、私の考える最適な設備を落とし込んでいくようなイメージですね。上田君はいつ見ても何かしら手を動かしており、凄まじい量のタスクを淡々とこなしています。「上田君って実は3人くらいいるんじゃないか(笑)?」と思うほど効率よく、そして、一つひとつの仕事に強いこだわりを持って取り組んでいます。そうやって真剣に仕事と向き合っているからこそ、アイデアの引き出しが多く、上手く連携しながら案件を進められているんだと実感しています。

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