新阿蘇大橋建設プロジェクト

関わる全ての人が、
同じ目標へ向かうために

#02事務

今井 悠介

YUSUKE IMAI

経済学部 経済学科 卒/2005年入社

埼玉県出身。学生時代はサッカー部に所属していた。社会人になってからはランニングを趣味にしており、多い日は40㎞ほど走ることもある。休日はもっぱら河川敷に向かい、長い距離を走り続けている。

※内容は取材当時のものです

今井 悠介の画像

今井 悠介

YUSUKE IMAI

経済学部 経済学科 卒/2005年入社

埼玉県出身。学生時代はサッカー部に所属していた。社会人になってからはランニングを趣味にしており、多い日は40㎞ほど走ることもある。休日はもっぱら河川敷に向かい、長い距離を走り続けている。

※内容は取材当時のものです

PHASE01

熊本を知る者として、働く環境を整える

新阿蘇大橋建設プロジェクトの決定後、作業所の事務長には当時入社12年目の今井が配属された。今井は2012年から熊本地区を担当しており、地震発生時も熊本にいた。

「ものすごい揺れで、立っていられないような状況でした。熊本に来て月日が過ぎていたので、報道などで各地の被害状況を見たときは胸が痛くなりました。そんななかで決まった新阿蘇大橋の建設は、自分がこれまでお世話になってきた街の復興プロジェクトです。当時は熊本全域の案件を担当していましたので、何か役に立てたらと思っていた矢先に、事務長として関われることになりました」

作業所事務のトップとして、プロジェクトがスムーズに進むよう関係各所との調整を行いながら、作業所員たちの働きやすい環境をつくるのが、今井に求められた役割だ。プロジェクト受注後、今井はJV他社とのスケジュール調整や地域住民との話し合いなど、着工に向け奔走していた。

「本件に携わる4年前くらいから熊本を担当していたので、南阿蘇の知識もありました。工事は事前の段取りも工程に影響しますので、まずはプロジェクトがスムーズにスタートできるよう、足早に周辺の環境を整えていきました」

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PHASE02

良い工事は、良い雰囲気から

本件はJVを組成しての工事となるため、大成建設のみならず、協力会社の社員含め全員が同じ方向を向いて工事を進めなければ、工期に間に合わせることができない。今井が徹底的に意識していたのは、「現場の雰囲気を良くすること」だったという。

「当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これが非常に重要です。普段一緒に仕事をすることのない人たちが集まって、一つの構造物をつくろうとするわけですから、現場に一体感がなければ良い工事にはできません。作業所長である園部所長が、誰でも意見を言いやすいような雰囲気をつくってくださっていましたので、私はその周囲を整えることに注力しました。例えばプロジェクトに関わる社員や職人さんの多くが、遠方から熊本に来た方でしたので、全員が働きやすい環境にするために、事前に住居や食事を全て手配し、しっかりとした生活が送れる土台づくりを行いました」

工事の技術的な部分以外は全て担当する。今井はいわば作業所における「何でも屋」だ。数ヶ月の準備期間を経て、無事に工事はスタートした。24時間体制の施工現場ということもあり、当初は職人たちの疲労が懸念されたが、今井の精力的なサポートの甲斐あって、現場にはいきいきと働くメンバーの姿があった。それはきっと、衣・食・住の生活の基盤が整えられていたからこそ、職人たちが仕事に打ち込めたのだろう。

また本工事は熊本地震からの復興のシンボルとして、熊本県内外から注目を集めていた。そのため、工事期間中に様々な来賓者が現地を訪問。その対応準備も今井が担っていた。

「通常の工事ではほとんど経験できないのですが、今回は復興プロジェクトでしたので、当時の国土交通大臣や熊本県知事など、様々な方が現場を訪れました。私は裏方でスケジュール調整や事前準備を行う役割でしたが、こんなにも注目度が高いのかと、より強い使命感を持つきっかけにもなりました」

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PHASE03

現場づくりに必要不可欠な存在

今井は2018年11月まで本プロジェクトに携わり、次のメンバーへバトンを引き継いだ。しかし、今井がモットーに掲げた「現場の雰囲気を良くする」という文化は、その後もしっかりと作業所に根付いていた。今井の仕事が、工事において現場を支える柱になっていたことは言うまでもない。

「事務の仕事は、直接施工に携わることはありません。しかし、工事に関わる全ての人にとって、仕事がしやすい環境を整備する、無くてはならない職務だと思っています。巨大なプロジェクトも、様々な関係者の、一つひとつの作業が積み重なり完成します。今回は新阿蘇大橋という、地域住民の皆様の願いをカタチにするプロジェクトに携わることができました。日々の難しい課題も、作業所のメンバーとのコミュニケーションを通して、自らの役割を常に見極め、的確に動くことで、解決できたと感じています」

2021年3月、今井は横浜支店で新阿蘇大橋開通の知らせを聞いた。無事、工事を終えられたことにほっと胸を撫で下ろした。月日が経過してもなお、今井はつい昨日のことのように、新阿蘇大橋の現場を思い出している。